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【9月市議会】「戦争法」に関わる論戦を振り返っての感想 - 市会議員 鈴木さとし

9月定例議会では、市民から提出された「『平和安全法制』法案の廃案・撤回を求める意見書」を国へ提出することを求める陳情に対して、4会派全てが総務常任委員会、本会議(最終日)双方で討論を行いました。これは、国民の重大関心事について蕨市議会で審議が行われたという点で重要なことでした。また、請願・陳情者の意見陳述、インターネット中継など議会改革の成果として今議会から始まった施策が積極的な役割を果たしたと思います。

一方、新生会・公明党が戦争法(安保法制)を支持し、政府見解を支持する立場から行った反対討論に対しては、法の必要性等、政策の違いを除いても気になる点がありました。

第一に、「新三要件」等、厳格な要件・手続きの下での措置であると強調し、「世界のどこへでも出かけて行って米軍を支援するなどの批判は…短絡的なもの」等と国民の不安を一蹴していることです。

しかし、「後方支援」は国際的には「兵たん」であり、自衛隊が実際の戦闘に参加する危険が飛躍的に高まること等が指摘されています。多くの国民が、日本が戦争に巻き込まれること、「戦争する国」に変えられようとしていることに不安や懸念を深めている事実を真剣に受け止めるべきです。

第二に、国会での審議に関して、反対討論の中で、与党協議で議論を積み重ねてきたことや、「膨大な審議時間」をかけ、野党にも対案の提示を求めるなど合意形成に努力した等の立場が強調された点です。しかし、実際には、世論調査では「説明不十分」が8割に上る等国民の理解は得られていない中で、国会での強行採決が行われました。主権者としての国民を軽視する政府の態度を正当化することはできません。

第三に、「憲法学者がそれぞれ持論を述べるのは自由…」と述べるなど、憲法違反との指摘の重要性を矮小化する態度も問題です。弁護士、憲法学者、内閣法制局長官経験者、最高裁判所長官経験者など多数の専門家が、過半数の国民とともに憲法違反と指摘をしている事実、その重大さを直視すべきです。

いずれも、民主主義、立憲主義といった国の土台に関わる重大な問題です。地方議会としても、市民の声を国政に届けるなど、民主的なルールを支える役割を果たすことが必要です。

引き続き、論戦に努めるとともに、戦争法廃止、民主主義・立憲主義を取り戻すために、広範な国民との共闘を広げる決意です。