index
蕨市の財政は健全である - 財政健全化指数を9月議会で公表 - 蕨市財政を考える(その3)

今回は市財政の健全性について考えます。07年6月に財政健全化法が成立し、07年度決算から財政健全化指数を議会に報告し、一般に公開することが義務付けられました。08年度決算分について、蕨市監査委員は8月20日に頼高市長あてに「健全化判断比率審査意見書」を提出し、この文書は9月市議会にも報告されました。

それによると、蕨市の健全化指数は表のとおりです。

健全化判断比率'08年度'07年度早期健全化基準
@実質赤字比率


12.97
A連結実質赤字比率17.97
B実質公債費比率5.76.925.00
C将来負担比率76.589.6350.00


実質赤字比率と、連結実質赤字比率は、蕨市の場合赤字額がないため、算出されません。実質公債費比率と、将来負担比率はいずれも、国が定めている基準を下回り、蕨市の財政は健全段階にあります。

財政健全化法は主に4つの指標で自治体の財政状態を判断します。実質赤字比率は一般会計と土地区画整理会計の財政の深刻度を測るもの。連結実質赤字比率は、全ての会計(水道や病院も含む)を合算して測ります。蕨市ではどちらも赤字でないために、健全とされます。

実質公債費比率は全ての会計を合算して、借入金の返済額が市の規模に対してどれほどかを示し、資金繰りの危険度をみるものです。08年度蕨市決算では5・7%です。一般家庭で言えば、収入のうち5・7%を借金返済にあてていると考えるとわかりやすいでしょう。07年度決算では6・9%でした。1年間で1・2ポイント改善しています。

将来負担比率は、全ての会計の借金残高や、債務保証額、退職金の将来負担などが、市の規模に対してどの程度かを示すもの。一般家庭で、借金残高や子どもの教育費見込みがどの程度か、と考えるとわかりやすいでしょう。蕨市では76・5%です。これも前年度89・6%から、13・1ポイント改善しています。

国の基準で、実質公債費比率が25%を超えると、将来負担比率では350%を超えると、健全段階でなくなり、早期の財政健全化が求められ、国や県の監視・監督を受けるようになります。以上のように蕨市の財政は健全段階にあります。これは、これまで負担の大きい大型開発を抑制してきたこと、ここ数年は新たな借金を増やしていないことが大きな要因です。