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【資料】蕨市2024年度予算編成にあたっての要望書(1)

【重点要望】



【?】深刻な物価高騰・感染症の拡大から市民のくらし・地域の営業を守る


1、急激な物価高騰などの影響のもとでも、社会保障や福祉の体制を弱めることなく、暮らしを支える市政の前進をはかる。
(1)予算編成においては、物価高騰や感染症の拡大への対策を引き続き位置付けるとともに、市民のくらしを支える立場を堅持する。新たな財源負担を伴う事業などが見込まれる場合でも、財政難を理由とした福祉の切り捨てや縮小、市民への負担増、雇い止めなどによる労働者の切り捨ては行わない。
(2)織りなすクーポンやペイペイキャンペーン、水道料金の無料化など、市の緊急対策についても必要に応じて積極的に実施する。
(3)物価高騰などの影響で減収となった市民・事業者の税金や公共料金の徴収にあたっては、引き続き利用可能な猶予や減免などの制度を活用するとともに、柔軟に対応する。

2、ワクチン接種体制を整備する。集団接種・個別接種については地域的な偏りが生じないよう、特に塚越地域の設置に配慮する。


【?】市民の暮らしと福祉を最優先した行政をすすめる


1、高齢難聴者などを対象とする補聴器購入費補助制度を早急に実施する。

2、帯状疱疹ワクチン接種への補助を実施する。季節型インフルエンザの低所得者に対する予防接種の補助を実施する。

3、障がい者の入所施設を市内に整備する。近隣で入所施設計画が発表された場合は、市民が入所できるよう働きかける。ショートステイ施設の充実を図る。

4、憲法25条に基づき、生活困窮者・低所得者対策を充実する。
(1)生活保護は国民の権利であることを広く市民に知らせる。生活保護の申請書やしおりを窓口等におき、申請しやすくする。辞退届の強要は行わず、辞退届が提出された場合は収入等の調査を十分に行う。
(2)生活困窮者自立支援事業では、生活保護を受けるべき人を追い出すものとならないよう、市民の自立を図るための丁寧な相談に応じる。
(3)生活保護基準のさらなる引き下げに反対し受給者の生活状況についての相談・支援を行う。
(4)丁寧な対応を行うためにケースワーカーを増員する。
(5)クーラー等の設置については生活福祉資金貸付制度を利用しやすくする。福祉資金が借りられない人には、市独自の貸し付けを行う。

5、高齢者・障がい者等の見守りネットワークを整備するとともに日常生活への援助、緊急事態への対応、災害時の避難の支援などを強化する。

6、認知症の予防や支援の対策を抜本的に強化する。特に一人暮らし世帯などへの対応を充実させる。

7、国民健康保険税については、埼玉県方針の下でも市民負担への影響が最小となるよう努力する。埼玉県には、引き続き、地域の実情に合わせた対応を行い、期限を決めた「赤字」解消、税率の統一は行わないよう働きかける。市民への説明は丁寧に行う。

8、市立病院を充実させる。
(1)市立病院の必要性や役割を明確に示すとともに、建て替えに向けた方針を決定し、市民の要望を生かした計画の検討をすすめる。方針や計画の検討・策定にあたっては、病院事務局の日常業務にも配慮し、特別の体制を配置する。
(2)再編統合に向けた国の「リスト」の撤回を求めるとともに、地域医療構想協議会などにおいて市立病院が地域で必要な病院としての共通認識を確立するよう努力する。
(3)将来構想に基づき急性期及び回復期医療を担う地域医療の拠点としての役割を務める。また、介護・福祉・保健との連携を具体的に進める。
(4)引き続き経営改善をすすめるとともに、医師・看護師の確保、地域連携の推進、接遇改善、相談窓口の充実等を行う。ソーシャルワーカーを有効に活用する。
(5)感染症の急拡大に備え、臨時の待合室、診察室、トイレなどの施設についてテント型も含め確保する。

9、誰もが安心して介護が受けられるよう制度の改善をはかる。
(1)「介護予防・日常生活支援総合事業」の実施にあたってはサービス内容を低下させず、利用者負担が増加することのないよう現在の事業を継続する。
(2)低所得者に対する介護保険利用料助成制度の充実をはかる(保険料段階の第1段階から第5段階まで、全ての在宅サービスを対象にする)。
(3)2019年2月に4カ所目の特別養護老人ホームが開設されたが、その後の待機者の動向に引き続き留意し、必要に応じて増設に向けた計画を検討する。


【?】 安心できる子育て支援をすすめ、教育環境を充実する


1、 安心して子育てができるよう子育て支援を強める。
(1)18歳(高校卒業時)までの通院を含む医療費を無料にする。
(2)保育の拡充について
?保育園の待機児童が生じないよう認可保育園の増設を含め努力する。特に、3歳児の定員増について具体的な対応を検討する。子育てコンシェルジュなどの相談体制を拡充し、幼稚園への転入希望者への対応や入園に向けた情報提供などを充実させる。
?保育士の賃上げを行い、正規保育士の増員を行う。
(3)留守家庭児童指導室について
?現在直営の留守家庭児童指導室は直営を堅持する。必要な増設をすすめるとともに、新規開設にあたり運営委託を行う場合は、保育環境、労働環境が低下しないよう努める。
?直営の学童保育室に常勤の指導員を配置する。非正規職員の指導員の賃上げ等の待遇改善をはかる。指導員の研修を充実する。また、民間留守家庭児童指導室における労働環境にも留意する。
?保育対象が6年生まで拡大しても待機児童がでないよう最大限の努力を行う。児童の指導単位を40人以内にするよう努める。発達段階ごとの保育・指導ができる体制を整備する。
(4)1人親家庭への家賃補助制度は、子どもの数に応じて増額する。
(5)子育て短期支援事業を具体化し実施する。
(6)産後ケア事業や一時保育などを含む子育て支援事業については、引き続き必要なサービスの拡充について検討を継続する。
(7)子どもの障害について、早期に発見・対応できるよう、専門家の配置や、保育と療育などの連携をすすめる。また、発達段階に応じ対応するために、家庭、福祉、教育が連携する体制を整備する。

2、一人ひとりの子どもたちにゆきとどいた教育を行う。
(1)感染対策上も有効とされ高い教育効果が期待される「20人学級」を展望した少人数学級を推進するよう国、県に要望する。中学校で、市独自の35人学級の実施を検討する。スクール支援員、特別支援教育支援員を増員するとともに、勤務日数を増やす。新型コロナウイルス感染防止などの対応を行う学習指導員、スクール・サポート・スタッフは引き続き配置する。
(2)学校給食費を無償にする。当面、第二子以降の無償化については早急に実施する。
(3)老朽化の目立つ校舎を総点検し 計画的に改修をすすめる。猛暑対策を強化する。すべての学校トイレの洋式化をすすめる。
(4)就学援助制度について周知、普及に努める。準要保護世帯へ新3項目(PTA会費・生徒会費・クラブ活動費)を支給する。
(5)教職員の長時間勤務の解消にむけ、在校時間調査の結果をもとに、負担軽減のための検討委員会の設置など具体的な対策を行う。部活動の負担軽減、行政研修や研究授業などの簡素化、不要不急の業務を削減・中止するなどして、教員の抜本的な多忙対策を図る。
(6)休職などにより代替教員の配置が必要な場合は、市費による配置も含め、すみやかに代替教員を配置する。また、欠員が生じないよう、県に対し常勤教員の増員など必要な体制強化を要望する。市費で代替教員を雇用する場合の労働環境を拡充する。
(7)部活動について
?子どもの自発性を尊重し、参加義務の強制は行わない。
?大会時の遠征費用や指導者への謝礼、ユニフォームや用具購入などの自己負担を軽減する対策を講ずる。
?地域移行当たっては、子ども、保護者、教員、受け皿となる民間団体と行政の合意を前提とし、期限を切って機械的に進めることはしない。また、費用負担増とならないよう予算や体制の裏付けを伴うものとする。
(8)外国籍児童・生徒の増加にあわせて、教育センターでの日本語指導の継続・充実を図る。各学校において教職員の加配や支援員・ボランティアの配置などを行い、習熟度に応じた日本語教育を強化するなど必要な援助を行う。言語や文化、宗教の違いに配慮する。
(9)未就学の外国人児童・生徒の実態について把握を行う。また、長期欠席となっている児童・生徒には日本人と同様の対応を行う。
(10)教育機関である図書館・公民館は指定管理者制度などの民間委託は行わない。蕨駅西口再開発における図書館については、市民の声や先進事例を生かした整備計画を早急に具体化する。図書館移転後は、図書館南町分館を整備する。


【?】市民の願いを生かし、安全・安心の
まちづくりをすすめる


1、震災対策・風水害対策を強化する。
(1)高齢者、障がい者など要援護者の安全対策を強化し、福祉避難所の整備をすすめる。避難所の環境整備、運営については、新型コロナウイルス感染症対策に留意するとともに、トイレの整備、プライバシー確保、空調の整備、健康を保つベッドの整備、あたたかい食事の確保、避難者間の民主的な話し合いと協力に基づく運営などの改善をすすめる。
(2)避難所について、災害種別ごとの収容可能人数を示すとともに、不足する場合は、新たな避難場所(例えば、洪水時の近隣市の高台への避難や自宅2・3階への垂直避難、協定によるマンションや事業所・商業施設などへの一時退避などを含む)を確保し、利用の際の基準やルールなどを具体的に示す。
(3)災害対策に女性の視点を生かす。担当部署に女性職員を適切に配置する。
(4)地震ハザードマップ、洪水ハザードマップ、内水ハザードマップ、市内に設置した想定浸水深表示などの周知をすすめる。地域や個人の防災活動に活かせるよう、活用方法を具体化する。
(6)防災行政無線の難聴地域を把握するために市民アンケートなどの調査を行い、必要な地域については増設などの対応を行う。メールや電話、ファックスなどでの情報発信については繰り返し丁寧に広報する。必要に応じて防災ラジオの整備を検討する。
(7)土のうステーションの増設を行う。少なくとも年1回程度は必要な家庭への土のう配布及び回収を行い、必要な高齢者世帯などへの周知を徹底する。緊急時の土のうの配備要請には引き続き迅速に対応する。
(8)地震や台風による民間施設の屋根の損壊に対し、ブルーシートでの対応や応急措置を制度化する。
(9)耐震基準を満たさない住宅(マンションなど含む)の耐震化を促進するため、本市の支援策を拡充する。

2、地域からの防犯灯・街なか防犯カメラの増設要望を毎年受け付け、計画的に増設する。

3、蕨駅西口再開発事業に市民の声をいかす(1)事業の推進にあたっては、権利者の合意を最大限に尊重するとともに、市民要望を生かし駅西口地域の整備を進める観点で対応する。
(2)近隣地域を含む環境への影響について最大限の配慮を行う。特に、工事区域周辺への騒音・振動対策、交通安全対策、夜間照明の確保、駐輪・駐車施設の確保などは、工事の進捗にふさわしく対応する。

4、中央第一地区のまちづくりの進捗を図るとともに、商店街の整備については市民の意見を生かし検討する。

5、東公民館の行政センター機能を拡充する。塚越ビジョンの検討にあたっては、地域の要望や意見を積極的に取り入れる体制で取り組む。

6、錦町土地区画整理事業の積極的な推進をはかる。国の補助金が低いことへの対策を国・県に強く求める。

7、子どもたちがキャッチボールなどのボール遊びができるネット付きのグラウンドを確保する。

【?】地域の営業を守る。
中小企業支援をすすめ、観光資源の充実をはかる


1、中小企業を積極的に支援する。
(1)商店街の悉皆調査など、地元中小業者の実態調査を行う。
(2)市の発注する工事や物品購入はできる限り市内業者に優先発注する。市内業者に発注できる様に分割発注を増やす。小規模修理修繕希望者登録制度を積極的に活用する。
(3)市内の店舗や事業所の更新、事業転換などを支援するリニューアル助成制度を充実させる。
(4)住宅改修資金助成制度(リフォーム助成)を拡充する。
(5)空き店舗対策など、商店街活性化のための対策を引き続き強める。

2、下請け単価や労賃の切り下げを防止し、「質」の確保、地域社会や環境への貢献などに配慮した「蕨市公契約に関する条例(仮称)」を制定する。当面、労働環境や賃金の実態調査を行う。

3、新たな産業の育成、起業支援を強化・拡充する。「わらびりんご」「双子織」「河鍋暁斎」などを活用した地場産業の育成、コミュニティビジネスの支援などを推進する。

4、中仙道第二の宿場町としての町並み、各種指定文化財、歴史民俗資料館、河鍋暁斎記念美術館、「成年式発祥の地」「さよなら私のクラマー」「日本一のコンパクトシティ」などを観光資源として維持・充実させる。蕨の魅力を発見し、活用・発信する取り組みを、市民との協同の視点で充実させる。


【?】さらに親しまれ信頼される蕨市に


1、市役所の業務に必要な職員体制を確保する。会計年度任用職員制度の運用、および定年延長の導入にあたっては、職員団体との合意を尊重する。

2、公共施設の維持管理においては、総合的な管理のもと、合理的な維持・管理、修繕を行う。公共施設全体の状況については、全面的に調査し把握する。

3、地球温暖化などの気候危機への対策を強化し、ゼロカーボンシティ宣言を行う。環境基本計画に沿った具体的対策を強化する。自然エネルギーの利用やリサイクルの推進など市民や事業者の取り組みを支援する。

4、ジェンダー平等を市政に生かす。管理職への昇進など職員人事においてもジェンダー平等の視点を徹底する。

5、「蕨市パートナーシップ・ファミリーシップ制度」については、性的マイノリティに限らず、高齢であることや家族関係上の支障があるなどの法律上の婚姻が難しいすべてのカップルを対象とするよう拡充を図る。

6、ドメスティックバイオレンス(DV)の防止や被害者救済などの対策を強める。職員研修や配偶者暴力相談センターの体制を充実させる。女性問題の専門家(フェミニストカウンセラー)による女性相談を拡充する。また、他機関との連携を強める。

7、策定した多文化共生指針を生かし、本市の多文化共生事業をすすめる。外国人住民を「まちづくりパートナー」と位置づけ、外国人住民のまちづくりへの参加促進、多様性を生かした地域活性化、防災対策、次世代育成、生活や教育などの支援・相談体制など具体化する。

8、ハラスメントを生まない職場環境づくりに積極的に取り組む。相談しやすい体制など工夫する。

9、蕨市施設管理公社、戸田蕨福祉会、蕨市社会福祉協議会、寧幸会、指定管理者制度による指定管理団体の職員・従業員の労働条件の向上につとめる。

10、直営の施設は直営を堅持する。指定管理者制度をとる施設においては、市民サービスの維持、向上、労働者の雇用継続などに配慮する。

11、マイナンバー制度は、個人情報の漏えいなど問題点を十分認識するとともに対応や対策について、すべての職員に研修を行い徹底する。また、独自利用などの制度拡大は行わない。国に対して、制度の廃止を求める。当面、2023年10月以降のマイナ保険証への一本化に反対する。