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93施設と道路等の公共施設白書を蕨市が公表

蕨市は3月下旬、「蕨市公共施設等マネジメント白書」をとりまとめ公表しました。一般財団法人地方自治研究機構との共同によるもの。

白書は、「公共施設等を現状のまま維持・管理していくことは困難」とし、市が所有する公共建築物、道路、橋りょう、上下水道など(総称して公共施設等)の現状分析・評価をおこない、今後の「公共施設等総合管理計画」策定の基本的な方向を調査研究することで、公共施設等の管理を推進することを目的としています。以下、内容を具体的に見ていきます。

第2章の「公共施設等の用途別現状分析」では、93施設について、床面積や建築年、コスト状況などを分析しています。

第3章の「近隣市及び同規模市の比較分析・評価」では、戸田市、川口市、幸手市、八潮市、志木市との比較をしています。

第4章では「公共施設等の維持・更新費用等の分析」を、第2章での各施設と市立病院の棟ごとに、2015年から54年までの40年間で試算しています。築30年で大規模改修、60年で建て替える基本ケースと、長寿命化1(35年で改修・70年で建替え)、長寿命化2(1と同じ、かつ総床面積を10%削減)、長寿命化3(1と同じ、かつ総床面積を20%削減)、の4シナリオを比較しています。2014年度までの10年間で公共施設と市立病院への投資的経費実績は年間7・5億円でした。これに対し、基本シナリオでは年関係費は16・7億円(40年間の総額は668・5億円)かかります。長寿命化1は14・9億円、長寿命化2は13・4億円、長寿命化3は11・9億円となります。過去の実績との差額が経費の年不足額となり、長寿命化3のシナリオで11・9億円と7・5億円の差、4・3億円(四捨五入のため数字は合わない)の年不足額が生じるという試算結果です。(なお、道路、橋りょう、上下水道では年不足額5・5億円)。

第5章では「公共施設等に関わる市民意識の分析」、第6章では「公共施設等マネジメントの基本的な方向性の検討」として課題の整理、対応策の例、マネジメントの方向性について示しています。

「白書」にもとづき、蕨市政において公共施設等の長寿命化や築50年となる市役所庁舎の整備などの具体策が、検討されていきます。