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くらしの最低保障引き下げを許すな!さいたま地裁の裁判を傍聴ー市会議員 梶原秀明

 生活保護費の最大10%引き下げは違法だとして、埼玉県内の当事者が国を相手取り、引き下げの取り消しを求める裁判(原告34人)の10回めの口頭弁論が、17日、さいたま地裁で開かれました。支援者ら123人が傍聴を求め、蕨市生健会の栗原事務局長・野澤理事など、多数が傍聴しました。

 法廷では弁護団(中山福二団長)の小林哲彦弁護士が、保護費基準を、一般国民の所得最低層と比較する違法性と、その算定結果よりも、さらに低い水準に保護費を算定していることの不当性を論述しました。また、猪股正弁護士は、生活保護基準を引き下げることは国際人権規約の「制度後退禁止原則」に反する。国には、「引き下げの根拠について立証責任がある」と弁論しました。法廷には原告約10人、弁護団5人と手話通訳、被告・国側代理人など10数人、傍聴席も満席となり、傍聴者は原告弁護団の堂々とした論述を聞いていました。次回の公判は7月26日午後2時、国側の反論が行われる見込みです。
 
裁判後に埼玉連絡会が開いた報告集会には104人が参加。中山弁護団長らの報告のあと、原告の当事者があいさつしました。「保護費の食費は1日千円、デイに通うとお昼が6百円。あと4百円で朝晩をどうまかなうのか」「私は精神的な病気です。見た目は若いので偏見で見られる。基準引き下げは、この国の生活水準を下げること。それでいいのか」「高校生の子どもが教師を目指して大学に行きたがっているが、今の制度では難しい。どうしたらいいのか」など、切実な訴えがありました。聴覚障がい者と、生健会埼玉県連代表が、裁判支援の応援メッセージを述べました。

 同様の訴訟は全国約30ケ所で行われ、原告の合計は約900人になっています。保護を受けている人だけではなく、暮らしに困難を感じる全ての人の問題です。生存権を保障した憲法25条の完全実施に向けて、運動を強めるときです。埼玉連絡会は裁判支援のため、入会を呼びかけています(一口千円、電話048‐771‐8690、飛鳥井司法書士事務所)。