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「蕨空襲」が憲法9条を守る原点 ― 二見伸明氏が講演 - 梅村さえこと学ぶ連続講座

講演する二見氏(左)と梅村衆議院議員
講演する二見氏(左)と梅村衆議院議員
7日、「梅村さえこと学ぶ連続講座」が開催されました。

冒頭、あいさつに立った梅村議員は「地域の様々な願いや要求に基づき、色々な方に力を借りながら、学び、考えていく」機会にしたいと、趣旨を説明しました。そして、以前、講師の二見伸明氏から「蕨での空襲体験が活動の原点」との話を聞いたことが今回の企画のきっかけだと述べ、県内で熊谷に次ぐ被害となった蕨空襲(死者50人)について「(体験や思いを)引き継ぎ、立場の違いを超えて、平和を守る地域にしていきたい」と語りました。

講師の二見氏は、衆議院議員を10期、運輸大臣や公明党副委員長などを歴任し、最近は、憲法改悪反対、野党共闘推進などの立場から発言しています。この日はじめに話したのは、空襲を避けて東京から越してきた蕨での体験。「空襲は怖い…破裂し火がつき、火の塊が降ってくる」と述べ、不発焼夷弾が自宅を直撃したこと、母親が機銃掃射で危険な目にあったこと、食べ物がなく大変だったことなどを紹介。「修身」の時間に「朕思う…」の意味を取り違えた友人が殴り飛ばされた体験から「教育勅語は大嫌い」と語り、戦前を美化する流れを痛切に批判しました。また、戦後の新しい憲法に対して「外国が攻めてきたら…」との疑問も持った二見氏に、当時の担任が「世界中から愛され尊敬される国になれば、外国が攻めようとしても他の国が止めてくれる」と語ってくれた体験や、パウロ2世の「日本の平和憲法は、全世界にとって共通の財産」との言葉を紹介し、憲法改悪を狙う安倍政権を厳しく批判しました。

さらに、戦前の日本や今日の北朝鮮情勢に触れ「戦争にしたくて戦争になるわけではない」「お互いに激しい言葉のやり取りで収まりようがなくなり戦争になる」と指摘。日本の北朝鮮政策では「絶対に攻撃の口実を与えない」ことが必要と述べ、アメリカが中国やロシアと協議の上で北朝鮮と対話することが重要と訴えました。

最後に二見氏は、野党共闘の重要性について述べ、共闘の「要」として日本共産党への期待を表明しました。

参加者からも、空襲で新しい校舎(現北小学校)が焼けて悲しかった思い出、南町での空襲や9条守るために蕨でとりくんでいる活動など、発言が続きました。参加できなかった蕨空襲の語り部、吉田陽子さんの手記も紹介され、参加者は平和や憲法、今日の情勢について思いを巡らせていました。

この日は約140人の市民が参加。頼高市長や、日本共産党蕨市議団も出席しました。