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食育の取り組み(宮城県丸森町)図書館の運営(岩手県・一関市)を視察(市議会議員 鈴木智)

ディーンズコーア―の展示スペース
ディーンズコーア―の展示スペース
教育まちづくり常任委員会の行政視察が行われました

 10月18日に訪れた宮城県丸森町は宮城県の南、福島県境に位置する人口は約1万2千人の町です。訪問した丸森小学校では、5年生家庭科、児童が自分で田植えや収穫を行った米を使った炊き方の実習を見学。給水時間の違う二つの炊飯釜それぞれの様子を注意深く観察しながら炊きあがりを楽しみに待つ様子、試食で白米のおいしさに驚き喜ぶ様子など、授業での児童の生き生きとした様子を見せていただきました。

 丸森町では、2019年に大規模な水害に見舞われたこともあり、昨年度から8つの小学校を2校に統合。それぞれの地域の特色を生かし、町民と密接な関係を持ちながら進められてきた教育活動を、新たな校区でどのように再開していくかは大きな課題だったそうです。その後、町民の協力も得ながら教育の様々な場面で行われている「食育」は、児童にとってはふるさとを知り愛着を深めることに、地域にとっては「自分たちの学校」との思いにもつながっていると感じました。
 
10月19日に訪れた岩手県一関市は宮城県境にあり人口約11万人。2009年までに1市5町2村の合併で現在の市になった際に各行政区の図書館は管理部門を一元化し全て直営に。市図書館振興計画では基本目標を「市民の心を豊かに満たし、市民とともに成長する図書館」としています。

 一関図書館は、これらの中央館で、現在の建物は2014年に開館。十進分類法にこだわらない利用しやすい配置、声を出してもよい児童コーナーと一般コーナーの分離、会話や休憩のスペース、充実したティーンズコーナーの設置など工夫されています。貸出冊数や利用資格などの制限なく誰でも利用でき、司書が専門性を生かし、情報発信の拠点でもあることなども特徴です。建て替え後の利用は3倍に増加。開館後も一定規模の図書購入費を継続したことや、利用者が多い図書館の条件を「目的を達することができ、居心地が良いこと」と館長が述べていたことは印象的でした。

 今回視察した二つの事例は、蕨市とは条件や規模の点で違いはありますが、先進的な取り組みとして学ぶべき点は多数あります。本市でどのように生かしていくか、今後、検討を深めたいと思います。