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全国都市問題会議で文化芸術・スポーツがうみだす都市の魅力と発展を学ぶ 下(市議会議員やまわき紀子)

八戸市で開催された全国都市問題会議1日目の一般報告は3人が行いました。
 1人目は、文化事業ディレクターの吉川由美氏が「まちづくりの活力は地域に根ざした文化政策から育まれる」と題して報告。はっちのアートプロジェクトや南三陸町での震災から新たなチャレンジで成功したカキ漁業の取り組みを紹介し、地域固有の文化は経済活動をブーストするパワーを持ち、地域の分母としての文化は災害から再生する力や社会の礎をつくっていると話しました。

 2人目は、長野県東御市長の花岡利夫市長が「標高差1500mの地勢を活かしたスポーツ・ツーリズムの創出」と題して報告。平地が少なく標高差のあるまちの特徴を生かすためにワイン醸造による市内14軒のワイナリー農家の認定。さらに高地トレーニングができる国内唯一の屋内プール施設を建設。地域の欠点を個性として認識し、資源として活用することで多くのアスリートが湯ノ丸でトレーニングを行い世界へ向かう場所であり続けるとともに将来的には湯ノ丸に医科学的なデータを集積させ市民の健康長寿の取り組みに還元できる場所にしたいと述べました。

 3人目は、株式会社鹿島アントラーズFC取締役副社長の鈴木秀樹氏が「まちづくりにおけるプロスポーツクラブの活用」を報告。ホームタウン5市の行政職員が毎年交代でクラブに出向しプロスポーツクラブの地元との関係構築、社会連携活動、斬新な発想の仕方など研修している。スタジアムに隣接するスポーツクリニックでは地域に高度な医療やリハビリを地域に還元する形を整えている。さらにプロスポーツクラブを自治体に活用してもらい社会課題の解決やまちづくりを推進してほしいと話しました。さらに、魅力あるまちづくり鍵は人づくりであるとまとめました。

 全国都市問題会議2日目は、「文化芸術・スポーツが住み出す都市の魅力と発展」をテ
ーマにパネルディスカッションが行われました。コーディネーターは東京大学大学院人文社会系研究科教授の小林真理氏、パネリストは、合同会社imajimu代表取締役の今川和佳子氏、拓殖大学商学部教授の松崎崇史氏、静岡県沼津市長の頼重秀一氏、京都府綾部市長の山崎善也氏が務めました。

 今川氏は「八戸ポータルミュージアムはっち」の立ち上げから今日までコーディネーターとしてかかわった経験などを踏まえ、また、松崎氏はスポーツと地域活性化の専門家として、また、頼重氏、山崎氏は、それぞれ、沼津市や綾部市での実践を踏まえ、文化行政やスポーツ行政の重要性や実践経験などを豊富に語りました。

 2日間を通して、文化芸術やスポーツには、まちへの愛着や魅力を高め、まちを発展させる大きな力があると各地の取り組みから確信を持ちました。そして、文化芸術やスポーツ行政は、まちづくりそのものであり、地域コミュニティの活性化や地域資源を最大限活用すること、さらには人づくりに繋げていく事が成功のカギであると学びました。