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シンポジウム「ここが変だ! 区画整理・再開発」に参加して

 8月22日、専修大学神田キャンパス7号館で行われたシンポジウム「ここが変だ! 区画整理・再開発 〜住民発意で『法改正』を考える〜」に参加しました。この企画はNPO法人区画整理・再開発対策全国連絡会議など三つの団体が主催したもので、全国の事例や運動、研究から、今日の土地区画整理法、都市再開発法など法制度の問題点を明らかにし、法改正運動の可能性を探るものです。
 はじめに、埼玉大学の岩見良太郎教授(都市工学)が法改正を議論する基本的な視点について報告。法改正を目指す理由を、この間の運動に共通してきた課題や「青写真判決」廃棄判決にみられる司法改革の動き、一方で進められてきた反住民の「法改悪」などの視点から詳しく述べられました。また、今後の運動の難しさについても触れられ、「改正に止まるか、年修復・整備法として再構築すべきか」など、いくつもの論点も示されました。
 その後、住民に十分な情報が提供されず、住民の意向が無視されたまま進められている区画整理の事例、生活再建が保障されない状況が続く再開発の事例について、それぞれの地域でくらし、運動を広げている方たちが報告。また、全国各地の事例を見てきたNPO編集委員からは、区画整理・再開発に係る秘密主義ともいえる状況が、区画整理訴訟、再開発訴訟をたたかうそれぞれの弁護士からは裁判の成果や運動の課題が報告されました。
 全体として、住民への情報公開や計画段階での住民参加が保障されていない、後戻りの規定がないなど手続きの不備ともに、そうした状況で「まちづくり」を進めてきた行政の問題などを改めて認識できました。
 全国各地から集まった参加者は、報告者の話に聞き入るとともに、自分たち地域でのまちづくりの問題点にも触れながら、熱心に議論を重ねていました。
 私は、これからの議論に引き続き注目するとともに、蕨で始まる新たなまちづくりを本当の意味で住民参加のまちづくりにしていくための視点としても一層深めていきたいと思います。