3市合併事実上の破綻 「3市合併ストップ!」市民の運動が実る 川口市が離脱の方針を表明

 7月21日、川口市議会は全議員による全員協議会を開催し、川口・蕨・鳩ヶ谷の3市合併協議会からの離脱を表明しました。
 川口市では、合併協議会で新市の名称が「武南市」と決定されたことに対して、多くの市民から不満や合併離脱の要望が多数よせられていました。こうした声を受けて、市長と川口市議会の意見が合併離脱へと決まったものです。正式な離脱は8月2日の臨時議会で決められることになりますが、これにより3市合併は事実上の破綻となります。
 蕨市では、これまで一度も市民の声を聞かずに強引に進められてきた3市合併に対して、住民投票を求める住民直接請求運動や、3市合併ストップの運動など、「市民の会」「議員の会」も結成され、運動が広がっていました。また、市民の中では、「対等合併は名前だけで実際は吸収合併ではないか」「蕨市民には不利益ばかりではないか」などの声もあがっていました。3市合併協議の中で蕨の推進派が「川口市以外の名前」にこだわった背景にはこうした市内の運動の広がりがあったといえます。そして、そのことが3市合併協議の事実上の破綻につながりました。

住民不在の合併推進が破綻 合併推進の責任は重大 3市合併ストップ!市民の会が「声明」

 こうした事態を受け、「3市合併ストップ!市民の会」では、事実上の3市合併破綻を「運動の成果によって得られた結果として大歓迎」する「声明」を発表しました。「声明」では「最初にやらなくてはならなかった住民の意向調査をやらないだけでなく、市民の住民投票の要求を拒否しながらやみくもに合併を推進してきた」と、市長と推進派議員を批判。「膨大な費用と住民サービスに影響を与えるほどの労力を費やし、住民を混乱に巻き込んできた」と指摘するとともに、「市長を辞めるために市長になった」という田中市長に対して「速やかに自らの出処進退を明らかにすべきです」としています。
 また、会の「活動を集結する」ことを報告。「地方自治の主人公は住民であることを自覚し、今後、蕨市の発展のために地方自治の担い手として一層貢献していく」ことを表明しています。

8月1日予定の住民投票は延期

 
7月23日、蕨市議会は臨時議会終了後、全員協議会を開催しました。その中で田中市長はこの間の川口市の状況について説明。蕨市で8月1日に予定されていた住民投票を延期し、正式に合併が破綻した後に臨時議会で中止を決定したい考えを表明しました。

9月議会で市長の責任追及を! ストップ!議員の会

 全員協議会では、合併推進は議員からは、合併協議会での多数決で決まった新市の名称に反対し合併協議会からの離脱の方針を打ち出した川口市に対する批判が出されました。しかし、合併への反対や疑問の声を聞かずに強引に進めてきた自らの責任については一言もありませんでした。川口市の離脱だけが問題であるかのように描き出そうとして、蕨市民が今回の3市合併をどのように考えていたのか、真正面から受け止めようとしない合併推進派の態度は無責任と言わざるを得ません。
 日本共産党蕨市議団が、市民ネット21、社民党、民主クラブの会派と結成し活動してきた「3市合併ストップ!議員の会」では、9月議会の中で、田中市長をはじめとする合併推進派の責任を追及していく方向を確認しています。