目的外に使われた視察費用の返還を求める裁判が開始

 蕨市が被告の「違法公金支出返還請求事件」の第1回弁論が6月22日、さいたま地裁で行われました。

 この裁判は、市民の川村満子氏が市に対して、自民党の岡崎春雄議員(当時議長)と公明党の鈴木巌議員(当時)に市が支出した視察費用は、目的外に使われた部分があるので、半額を市に返還させるべきだと訴えた事件です。

 この裁判に至った事件は、昨年11月8〜10日に行われた総務常任委員会の行政視察の際、岡崎議員と鈴木巌議員が視察の2日目に、訪問予定の鳥栖市に行かずに福岡競艇に行き、舟券を買う行動をとったことです(この事件が新聞報道された後、公明党の鈴木巌議員は議員を辞職。岡崎議長は、日本共産党、市民ネット21、社民党、民主クラブが共同で議長辞職勧告決議を準備するなど議長の辞任を求める声が高まる中、昨年12月定例会の初日に辞任)。

 この行動に公費が支出されていることに対して、川村氏が市監査委員宛てに、両議員に支出した公費(旅費・宿泊費・手当てなど)の半額を市に返還する措置を両議員に求めること、及び議員の視察が本会議の議決を経ていないので、今まで行われたすべての視察の旅費の返還を求めることを市長に勧告することを求める住民監査請求を行いました。

 それに対する監査結果は、今までの視察は「決議されていないとはいえ公務でないとは言い難く、旅費の返還までは求めない」というものでした。また、福岡競艇に行ったことも総務常任委員会の仕事の範囲だとして、旅費の返還は求めないというものでした。この結果を受け、原告は2人の旅費の返還を裁判に訴えたものです。

 当日は第1回目のため、原告側の訴状と提出書類の確認を行い、被告側が棄却を求めることを確認しただけで終わりました。

 日本共産党蕨市議団は、市が原告の訴えを受入れ、2人に旅費の半額の返還を求めるべきだと考えます。当日は、志村茂団長が裁判を傍聴しました。

次回(第2回弁論)は8月31日午前十時から、同地裁にて行われます。