3月定例市議会終わる 敬老祝金の大幅な削減はわずかな修正で可決 日本共産党は現行通りを主張

 3月定例市議会が3月24日閉会しました。
 注目されていた敬老祝金の改定は、新政会、公明党、自民党(岡崎議員)の修正案と、市民ネット21及び民主クラブ(一関議員)の修正案との調整がされ、88歳以上の人への支給額を市長提案よりも引き上げる(表2参照)ことで合意され、5会派が共同提案しました。日本共産党は、2005年度は現行のまま支給すべき(2006年度以降は戦略プラン決定後に検討する)という考えであり、5会派の修正案は額が低すぎることもあって、修正案に反対(山脇紀子議員が反対討論)しました。わずかではあっても、市長提案より額を引き上げざるを得なくなったのは、民主クラブの呼びかけで日本共産党、市民ネット21、社民党(小林議員)が集まり、修正案を提出する協議を始めたことが原因になっています。現在の議会は、市長の提案は何でも通るという状況ではないことを示しました。
 2005年度一般会計予算の討論では、日本共産党は6億1800万円余の予算組み替え提案(表1参照)を発表(志村茂団長が討論)し、蕨駅西口再開発と中央第一区画整理事業を見直せば、たくさんの市民要求実現と公共施設の耐震補強及び改修工事を計画的に行えることを示しました。
 今議会に形として現れなかったものとして、職員の期末手当削減問題があります。日本共産党は、職員の期末手当を10%削減することに議会が同意(日本共産党は反対)をした以上、 議員の期末手当削減も行うべきだと主張してきました(記事別掲)が、今議会での合意には至らず、6月定例市議会までに協議することになりました。新政会と公明党の態度が問われます。

表1 日本共産党の予算組み替え案(単位千円)
 
歳入で収入増を見込むもの
普通地方交付税 200,000
臨時財政対策債 100,000
再開発事業基金からの繰入金 250,000
歳出で支出を減らすもの
再開発コンサルティング委託料 1,800
再開発事業補助金 16,200
中央第一区画整理会計への繰出金 44,358
同和研修のための特別旅費 712
議員の期末手当(10%削減) 5,087
歳出で支出を増やすもの
敬老祝金(額の引き下げをやめる) 27,785
福祉入浴券(自己負担をなくす) 7,900
各種補助金(1割カットをやめる) 6,420
職員期末手当(10%削減をやめる) 23,520
小中学校校舎対震度調査(3棟分) 10,000
公共施設改修基金積立金 332,067
舗装道補修工事(2路線追加) 28,600
保育園の保育士(2名増やす) 6,263
学童保育指導員(各指導室1名増) 5,145
介護保険利用料助成の拡充 4,014
公園等整備工事費を増額 5,000
錦町区画整理会計への繰出金 150,000
   
収入増と支出を減らすものの合計 618,157
歳出で支出を増やすものの合計 618,157

表2 敬老祝金を削減する条例の修正案
 
  現行 市長案 修正案
満75歳 25000円 20000円 20000円
満77歳 30000円 20000円 20000円
満80歳 35000円 20000円 20000円
満85歳 40000円 20000円 20000円
満88歳 45000円 20000円 25000円
満90歳 50000円 20000円 30000円
満95歳 70000円 20000円 30000円
満99歳以上 100000円 20000円 50000円
 
(注)市長案の支給総額は現行の58.9%、修正案の支給総額は現行の62.7%