志村しげる | 清水直子 | やまわき紀子 | 鈴木さとし | 梶原秀明
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1、国民健康保険制度

蕨市の国民健康保険の加入者は、人口比で市民の約4割、世帯比で約半数が加入し、市民の命と健康を守るための根幹となる制度です。ところがこの保険税を払えない世帯は昨年度3947世帯、加入世帯の26%に達しており、危機的状況です。国保税の滞納が増えている大きな要因は、1984年の国保法の改定をかわきりに、市町村の国保会計への国庫負担金が年々減らされていること、1997年の消費税増税などの9兆円の負担増・ここ10年の不況や医療費の負担増、大企業中心のリストラを推進する国の政策の元などで、国民の可処分所得が減っていることです。
もともと国保は低所得者が多く加入している医療保険であり、国の手厚い援助がなければ成り立たない制度です。ところが国は1984年の制度変更以降2000年度までで、市町村国保の収入に占める国庫支出金を、約50%から約35%へと減らしました。一方、住民一人あたりの国保税は同じ期間に約3万9千円から約7万9千円へと、倍増しています。
蕨市では保険年金課で聞いたところ、滞納世帯の所得分布は、所得なしが約2割、所得120万円以下の世帯を含めると約4割、さらに税金の未申告の約860世帯分を含めると、実に全体の六割の世帯がきわめて少ない所得のもと、国保税を払いたくても払えないという生活実態にあることが推定されます。
さらに黙視できないのは、1997年の国保法改定で滞納世帯から保険証を取り上げることを、市町村の「義務」規定にし、2000年4月からこれを施行し、蕨市では資格証明書(資格証)を、14年6月1日現在211件、15年6月1日現在279件、発行していることです。「資格証」になると窓口で医療費をいったん全額支払わなければならず、保険証がなければ事実上医療にかかることはできません。悪質滞納者は別にして、「資格証」の発行をやめることを求めます。
そこで次の5点についてお聞きをします。
(1) 国民健康保険会計への国庫負担金の1983年度からの推移(金額総額・加入者あたりの金額・加入世帯あたりの金額・国保会計の歳入総額に占める割合)はどうか。
(2) 国民健康保険証がなく医療を受けた市民の件数(13年度・14年度)はどれほどか。
(3) 医療機関(市立病院を含む)から10割の医療費を請求され、これを払えず、市や市立病院に相談のあった件数(13年度・14年度)はどれほどか。
(4) 資格証明書の発行をやめる考えはないか。
(5) 国保税の滞納世帯約四千のうち、13年度と14年度中に納税相談を行なった件数はどの程度あるか。相談ができた方のうち分納などにより、その後の納付が順調に行なわれているのはどれほどか。

2、市立病院

 蕨の市立病院は高度医療サービスを提供していること、戸田市の病院とも連携をとって夜間や休日も患者を受け入れる救急医療サービスを提供しているという点で、市民にとってたいへん頼りになる存在です。それだけに市立病院に対する市民の期待も大きく、病院で提供しているサービスについて要望や苦情が多数出されることにもなると思います。昨年『みんなの市長を作る会』が市民アンケートを実施し市内の約600世帯から回答を得ていますが、その中から北町在住の方に限定して市立病院に関してだけでも24件の意見が寄せられています。「子供が急病なのに院内に入れてもらえず救急車で待った」「午後の診療時間を増やしてほしい」「3時間も待たされて病人の体力がもたない」「感じの悪い医師がいる」など、大きくまとめると待ち時間を短くしてほしいという意見と、医療関係者の技術力や説明力などの改善を求める意見が占めています。

 そこで市立病院のよりいっそうの改善を求める立場から次の5点を質問いたします。
(1) 民間企業でも行政組織でも、利用者の意見を常に把握しながら経営を改善していくことは組織運営の基本だと考えます。
a 市民からの苦情や要望に対して市立病院ではどのように改善をはかっているか。
b ベンチマーキング手法などを導入して病院運営の改善のため、周辺の病院(たとえば中島病院や戸田中央病院)との比較を行なう考えはないか。
(2) 院外処方について14年度12月議会での福田議員、「小児科・皮膚科両科の院外処方箋発行状況も勘案しながら、病院全体としての院外処方の推進について研究」していきたいと答弁されています。
a その後の院外処方箋の診療科別・月別の発行件数の推移はどのようになっているか。
b 院外処方を希望している利用者の声(院外処方のほうが便利であるとか、別の診療科についても院外処方にしてほしいなど)を把握しているか。
(3) 8月に開かれた消防委員会に提出された資料によると急病を原因として救急車が呼ばれ、実際に搬送された人数がH9年1247人、11年1415人、13年1614人、今年は1月から6月末までの半年で861人と、H9年に比べると最近の搬送人数は3割も増えています。そこで
a 市立病院での救急搬送者の受入数のここ数年の推移と、病気原因の特徴についてどのように評価しているか。
(4) 病院の受付・処方・会計の現在の待ち時間を短縮する対策についてです。これまでに議会での当局の答弁では「特別診療を午後から実施すること」と「院外処方を発行すること」による時間短縮を検討してきたが対策は十分ではないとされています。次の策としてオーダリングシステムの導入と再来受付機を設置するとされています。
a 現在の病院の受付・処方・会計の現在の待ち時間の分布はどうか。
b オーダリングシステムなどの導入により、待ち時間をどの程度短縮する見込みであるか。
(5) H14年4月より診療報酬の改定の影響で、H14年4月から6月で日本医師会の発表で医療費が3.86%減少したこと、市立病院では3.69%減少したことが本議会で報告されています。市立病院の病床利用率はここ数年減少傾向にあるようです。
a 入院患者数、病床利用率が13年度に対して14年度が大幅に減っているがどのように評価しているか。

3、北町地区の集中豪雨対策

北町地区、とりわけ北町一丁目の水害対策についてうかがいます。1999年、2000年と7月または8月に集中豪雨による水害が発生し、本議会でもそのための対策が議論され、市当局としても対策が立てられてきました。本年6月25日には10時40分から11時20分までの40分間で37ミリに達する集中豪雨があり、一丁目の11番地・12番地付近で浸水があったところです。そこで次の3点についてうかがいます。

(1) H14年3月議会で都市整備部長は「北町地区全体として根本的な対策を検討していく必要があるのかな」と答弁されています。この見解が市長の公約に反映されたと理解しています。
市長は先の市長選挙で北町地区の集中豪雨対策として雨水調整地を設置することを公約したが、その後どのような検討を進めているか。
(2) 根本的な対策の他に急務の対策として昨年度浸水対策工事が行なわれました。6月25日の集中豪雨の際、私は水が出る直前から現地を見回っていましたが近所の方の感想では、強い雨のわりには従来よりも被害が少なかった、水が引くのがわりと早かったという印象です。ただし、あと5分余計に豪雨が続いていれば床上浸水がまぬがれなかったお宅もありました。
昨年度に北町地区浸水対策工事が約280万円かけて行なわれ効果が認められるが、旧水路への現在1本の流入口を増やすことによる効果、工事コストを見積もる考えはないか。
(3) 8月の台風前に土嚢が配布されたと思いますが6月25日の豪雨の歳には事前に土嚢を準備していたお宅は見当たりませんでした。いちど配置した土嚢を各家庭で保管しておくのは良いとしても、秋以降は市で撤去するという方法などをとるのでしょうか。また、短時間の集中豪雨の際そのことを市民に知らせる防災無線などの活用についておたずねします。
家屋へのいざというときの浸水に備えての土嚢管理どのように考えているか。集中豪雨の場合に緊急警戒警報などを出し、浸水被害を未然に防ぐ考えはないか。

4、交通安全対策

北町地区の交通安全対策についてうかがいます。
北町1丁目から駅方面に向かうところ、市役所通りが横断する交差点、中央4丁目1番18号の斎藤ビル鮨虎前の交差点がありますが、この歩行者用信号がなかなか青にならず相当な時間待たされるという声がいくつも出ております。さらに、蕨陸橋西交差点は、川口市と北町から駅を利用する方が多数利用することと、車両の交通量がたいへん多いこと、及び六差路になっていることから、この交差点も歩行者にとっては利用しづらいものとなっています。
つぎに、北町四丁目のサンテック蕨寮前において5月5日車両同士の衝突事故がありました。若い運転手の車が一時停止を無視して交差点に進入したのが原因、事故当時衝突の大音響がひびいたとのこと、車がぶつかった電柱が真っ二つに折れ、けが人も出たとのことでした。現場付近に住む方によると今年に入って4回目の事故だったとのことでした。また別の方からの話によると8月23日24日の土曜日・日曜日同じ場所で連日事故があったとのことで、事故の際のにぶい衝突音を聞くだけでもからだに悪いとおっしゃってました。この交差点には6月以降新たに「止まれ」の看板をつけることと、5月時点で故障していた交差点中央に置かれたランプを修理するなどの対策がとられていますが、残念ながらその後も8月に事故が起きているところです。
 そこで次の2点についてうかがいます。
(1) 蕨陸橋西交差点と中央4丁目1番18号の斎藤ビル鮨虎前の交差点の、歩行者の信号待ち時間の短縮を図る考えはないか。
(2) 北町4丁目9番29号のサンテック蕨寮前の交通事故多発地帯での、交通安全対策をどのように進めているか。

5、サラ金看板

上限29%以上もの金利での営業している貸し金業(いわゆるサラ金)は、多重債務者を生み出している原因の一つとなっています。そのサラ金業者の看板が北町5丁目の文蔵川とその支流の両脇のフェンスや、川口市芝園町の蕨駅第4自転車置場のフェンスなど、交通量が多い目立つ公共の場所に無秩序に設置されていることは、おそらく県や市がこれら看板の設置を許可しているとは思えず、サラ金業者などの反社会性の表れとも考えられます。市民生活を脅かすサラ金・ヤミ金の実態を指摘したり、適切な消費生活のあり方を啓蒙宣伝することは、公共団体である県や市の責務でもあります。以上の観点から
(1) 公有地に設置されている消費者金融会社の宣伝看板を撤去する考えはないか。

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